「大人になってから英語を学ぶのは難しい」とよく聞かれますが、実はそれは大きな誤解です。適切な方法と環境があれば、大人でも英語を効率良く習得することが出来ます。
本記事では、大人が英語を学ぶ際のステップごとのアプローチと、その学習を支援する具体的な方法を紹介します。単語や文法の基礎から始まり、リーディング、リスニング、そして実際の会話に至るまで、あなたが英語で自信を持って話せるようになるまでの道のりを詳しく解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
大人から英語を学習しても話せるようになる?

英語学習において「年齢が高いほど学習が難しい」という説は広く信じられていますが、第二言語学習理論では大人でも英語の習得は十分に可能であるとされています。
英語学習においては「Older is faster, younger is better.(早く習得するなら大人、よりよく習得するなら子供)」という研究結果があります。
これは、大人は子供よりも総合的知能が優れており、新しい言語を早く学ぶ能力があるということを意味しています。
大人の英語学習が難しいと考えられている理由は、「母国語によるフィルター」が言語処理を複雑にするからです。
大人になってしまうと、英会話をする際に英語→日本語→英語と母国語を挟んだ解釈をしようとします。しかし子供の場合は英語を英語のまま理解しようとするため、ネイティブレベルの英語力を身につけるのであれば、子供の頃に学ぶ方が有利です。
ただ、一般的に流暢に英語が喋れるレベルであれば、大人でも十分に習得可能です。
なので、大人が英語を効率的に学ぶためには、まずは知力を活かした勉強法を行い、徐々に英語を英語のまま理解し喋るという勉強にシフトすることが重要です。
実際に私も成人以降に英語を本格的に習得しましたが、上記の流れでした。
大人がゼロから英語力を身につけるための学習ステップと具体的な方法
では、実際に大人が効率的に英語をマスターするためにはどのようなステップを踏むべきなのでしょうか?
あくまで私の実体験ベースなのですが、下記の流れで勉強をすると英語が学びやすいです。
大人の英語学習ステップ
STEP1:単語力や文法などを学ぶ
STEP2:英語の文章を読む / 英作文をする
STEP3:リスニング力を鍛える
STEP4:英会話を行う
基本の単語や文法から始め、読解力とライティングスキルを高め、リスニング力を鍛え、最終的には実際の会話に挑戦すると良いでしょう。
これらの段階を経て、日常生活で自信を持って英語を使えるようになる方法を解説します。
STEP1:単語力や文法などを学ぶ
大人の英語学習の初期段階で最も重要なのは、英語の基礎を築くことです。
先に解説した通り、大人は学習能力が高いため、まず単語、文法、発音の三つの要素に焦点を当てて勉強すると良いでしょう。
基礎の中でも特に文法と発音を先に学ぶと良いと思います。
英単語は無限に覚え続けなければならない反面、文法と発音が比較的限定された範囲の学習内容であるため、初めにこれらをマスターすると、その後の学習がスムーズに進むからです。
文法の勉強でやるべきこと
文法は英語において中核をなす要素であり、これが理解できていないと、相手の言うことや書かれたことを正確に理解することができません。また、自分の言いたいことを的確に伝えることも困難になります。
英文法と聞くと難しいイメージがあるかもしれませんが、実際には中学・高校レベルの基本的な文法知識があれば十分です。過去形、完了形、受動態などの基本的な文法事項を理解し、適切な文法書で何度も繰り返し学習することが重要です。(一冊の本を何周もすることが重要)
後ほど紹介しますが、私は「NextStage」で勉強しました。
NextStageでは文法を基礎から応用まで網羅的に学ぶことができ、TOEICなどの試験対策にもなります。

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発音の勉強でやるべきこと
発音は初期段階で身に付けると後の学習が楽になります。最初に覚えることによってこの先英語を見るたびに正しい発音で学ぶことができる上、リスニングなどでも大いに役に立ちます。
まずは基本的な発音ルールを学び、実際の単語やフレーズで練習することが効果的です。
「世界一わかりやすい英語の発音」のような参考書は、イラストと共に発音のポイントを分かりやすく説明しており、初心者には特に有用です。
基本的な発音が身についた後は、後に説明するシャドーイングやディクテーションを活用して、実践的な練習を積むことが推奨されます。

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英単語の勉強でやるべきこと
英単語の学習は、英語のインプット・アウトプットの両方に欠かせません。ただし、単語学習に没頭しすぎると効率が悪くなることもあるため、適切な範囲で学ぶことが重要です。
初めの内は、中学レベルの単語から始め、基礎をしっかり固めることをお勧めします。基本をマスターしたら、高校レベルや目的に合わせた単語帳へ進むことが良いでしょう。
STEP2:英語の文章を読む / 英作文をする
土台固めが完了した後は読解力と英作文力の強化に移ります。この段階では、テキスト面を通じてさらに深い言語理解を目指すことに注力します。
読解力を身につける方法
読解力の向上には、様々な英語のテキストに触れることが効果的です。
BBC Newsなどのニュースアプリを活用することで、時事英語と文化的背景にも触れることができるのでおすすめです。このアプリは特に、イギリス英語のニュース記事を提供しており、国際的な視点からの情報を得ることが可能です。記事を読むことで自然と文法力も向上し、多様な表現に触れることができます。
また、自分の興味がある分野の記事を選ぶことで、読む動機を持続させやすくなり、より効率的に学習を進めることができます。
英作文力を身につける方法
英作文の練習として、英語日記を書くことが非常に有効です。日々の出来事や感じたことを英語で表現することで、自然な英語表現を身につけることができます。日記を通じて、毎日の生活の中で感じたことを素直に表現する訓練を行うことが、リアルな英会話能力につながります。
また、英作文の際に表現できなかったポイントや不明な単語はその場で調べることで、必要な語彙を効率よく増やすことが可能です。これにより、日常会話だけでなく、将来的にはビジネスシーンでのコミュニケーションにも役立つスキルを身につけることができます。
ビジネス英語のスキルを高めたい場合は、ビジネスメールや報告書の書き方に特化した参考書を使用することもおすすめです。これらの参考書では、ビジネスシーンでよく使用される表現やフォーマットが紹介されており、実際の業務で使える英語力を効率的に身につけることができます。
英語の文章を読んだり書いたりすることで、より高度な言語処理能力を養い、日常生活やビジネスシーンでの英語使用に自信を持つことが可能になります。
STEP3:リスニング力を鍛える
土台作りと読解力・英作文力強化の次のステップとして、リスニング力の向上があります。この段階では、ある程度英語の基本的な型やパターンが理解できているため、実際に話される英語を正確に聞き取る訓練を行います。リスニング力を強化するための主な手法には、「ディクテーション」と「シャドーイング」があります。
ディクテーション
ディクテーションは、英語の音声を聞きながらそれを文字に書き起こす勉強法です。ディクテーションを通じて、リスナーはリアルタイムで音声を聞き取り、理解が追い付かない部分を明確に把握することができます。
ディクテーションを行うことで、聞き逃した単語や文法的なつながりがクリアになり、英語のリエゾン(音の連結や省略)やイントネーションの理解が深まります。これらネイティブの英語を聞きとるための重要な要素であり、練習を積むことで自然と聞き取り能力が向上します。
シャドーイング
シャドーイングは、ネイティブスピーカーの発音を聞きながら、わずかな遅れで同じ文を真似て話す練習です。これにより、リスニングと発音のスキルが同時に鍛えられます。ネイティブが使用する自然な表現やイントネーションを身につけることができ、英語のリズムや音の変化を体で覚えることが可能です。
英文を見ずにネイティブの発音を真似ることで、耳が英語の音に慣れ、より高度なリスニングスキルへと進むことができます。この練習法は、日常会話の理解だけでなく、速い話速や異なるアクセントにも対応できるようになるために重要です。
ディクテーションとシャドーイングを組み合わせることで、リスニング力だけでなく、発音の正確さも同時に向上します。
日常的にこれらの練習を行うことで、実際の英語使用環境においてもスムーズにコミュニケーションを取ることが可能になります。
STEP4:英会話を行う
英語学習の最終段階で行うことは英会話力を高めることです。
英会話力を高めるには、日常生活での「独り言」の練習と、実際の人との「対話」の両方が有効です。
独り言を利用した練習
独り言を英語で行うことは、非常に効果的な学習方法の一つです。自分の考えや感じたことを英語で口に出すことで、思考プロセス自体が英語モードになります。この練習は、誰の目も気にせずに自由に表現できるため、新しい単語やフレーズを使うチャンスとなり、自然と会話で使える表現が増えていきます。また、間違えても周りに誰もいないので、恥ずかしさを感じることなく、即座に言い直すことができます。
実際の会話による練習
一方、実際の会話練習は、対人スキルとリアルタイムでの反応速度を高めるために不可欠です。相手との会話を通じて、自分の言いたいことを効果的に伝え、相手の言うことを正確に理解する能力を培います。
会話の相手を見つける方法としては、言語交換サービスや英会話アプリがあります。
これらのサービスは、自宅にいながらにして世界中の人々と英語で会話ができるため、日常的に英語を使う環境を作ることができます。料金もさまざまで、自分の予算に合わせて選ぶことが可能です。
これまでの英語学習を一通り終えると十分な英語力が身についているはずです。
大人が英語を学ぶ際に気をつけるべきポイント
大人が英語を効率良く学ぶためには、明確な目標設定、学習時間の確保、そして個々に最適な学習方法の選択が重要です。これらのポイントを適切に管理することで、忙しい日々の中でも英語力を確実に向上させることができます。
はっきりとした目標をもつ
英語学習においてはっきりとした目標を持つことは、モチベーションの維持に不可欠です。目標が明確であればあるほど、それに向かって効果的に努力することが可能となります。
例えば、「TOEICで800点を取る」「海外旅行で困らない会話能力を身につける」「ビジネス会議で自信を持ってプレゼンテーションを行う」などの、具体的な目標を設定しましょう。これらの目標は、学習する際の道しるべとなり、どのようなスキルに重点を置くべきかを明確にします。
学習時間はルーティングで確保する
学習時間の確保は、特に忙しい大人にとっては大きな課題です。しかし、英語学習を日常のルーティンに組み込むことで、時間を効果的に活用することができます。毎日同じ時間に短時間でも英語に触れる習慣を身につけることが重要です。
例えば、通勤時間を活用してリスニング練習を行う、昼休みに単語カードを見る、寝る前に少し英文を読むなど、生活リズムに合わせた学習スケジュールを作りましょう。継続は力なり、という言葉の通り、コンスタントに学習を続けることが英語力強化への鍵です。
自分にあった勉強方法で臨む
英語学習の方法は一人ひとりで異なります。自分に合った学習方法を見つけることが、効率的かつ持続可能な学習へと繋がります。学習スタイルには視覚的、聴覚的、実践的など様々なタイプがありますので、自分がどの方法で最も効果的に情報を吸収できるかを理解し、それを活かすことが大切です。
例えば、視覚的学習者であればビデオ教材が効果的ですし、対話を重視する人には言語交換がおすすめです。また、学習進捗を定期的に評価し、必要に応じて方法を調整する柔軟性も持ち合わせましょう。
大人の英語学習におすすめな教材やサービス
上記の内容を踏まえて大人の英語学習におすすめな教材やサービスを紹介します。
本や参考書
本や参考書は英語を体系的に学ぶ上で非常に有効な英語学習手段です。
本記事では厳選して紹介しますが、もしより様々な参考書を検討したい場合は下記の記事も参考にしてください。
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単語の勉強は「DUO.3.0」
単語の勉強には「DUO3.0」をおすすめします。実際に私も使っていた単語帳の1つで、最も学びやすいと感じた単語帳です。
DUO3.0は、1,600語の英単語と1,000語の熟語を網羅した例文が載っている単語帳で、基本レベル+αくらいのレベル感です。例文はユーモアに富んでおり、読みやすく、複数の語彙が組み込まれているため記憶に残りやすいのでおすすめです。

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文法の勉強なら「NextStage」

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NextStageは実際に私が使った文法書の中でいちばん学びやすく、必要事項を網羅している文法書でした。
実際に私は語学留学の際に現地で英文法を習いましたが、NextStageの内容でほとんどの部分が理解できていました。
NextStageは試験対策にも役立ちますし、文法を再学習する際には非常に有用です。特に、文法・語法セクションを繰り返し学習すると良いでしょう。
発音の勉強なら「世界一わかりやすい英語の発音」

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この度、スタディサプリ講師・関正生先生監修のもと、大幅に内容を刷新した「発音の授業」が新装版として発売されました。英語の聞き取りにおける主要な障害である発音のルールを、ネイティブの音に近づける方法として詳細に解説しています。改訂版はフルカラーで視認性が高く、学生から社会人まで広く推奨される一冊です。
YouTubeやNetflix
YoutubeやNetflixも英語学習に役立てることができます。
特にNetflixはChrome拡張機能の「Language Learning with Netflix」を使うと効率よく学べます。
通常Netflixでは日本語または英語の字幕のみの表示しかできませんが、この拡張機能を同時に日本語と英語の字幕を表示することができるためディクテーションやシャドーイングなどに活用できるでしょう。
以下の記事では英語学習におすすめのYouTuberをまとめているので、ぜひこちらも併せてご参考ください。
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英語学習アプリ
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英会話で使えるフレーズからビジネスレターに使える英語など、あまり時間をかけなくてもすぐに役にたつ英語を身につけられます。
英語学習アプリの中でもおすすめしたいのが「スピークバディ」です。

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短期間で英語力が身につくため、海外転勤など急に英語力が必要になった場合などの有効な英語学習方法です。
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大人でも英語は話せるようになる
大人になってから英語を学び、話せるようになることは十分可能です。
重要なのは、明確な学習目標の設定、定期的な学習時間の確保、そして自分に合った学習方法を見つけることです。
文法、語彙、リスニング、スピーキングといった基本的なスキルから始め、徐々に会話能力を築いていくことが鍵となります。
また、日常生活での独り言や実際の会話練習を積極的に行うことで、実用的な会話力が身につきます。
上記のことをやることで、大人でも効率的に英語を習得できるので、がんばりましょう!