2020年に学習指導要領が大きく改訂され、小学校での英語の授業が必修化されました。中学受験で英語を導入する学校も年々増えており、小学生の英語教育にますます関心が集まっています。
しかし、実際には「英語必修化といっても具体的に学校で何をするのかわからない」「家庭でどうやって英語学習を行ったらいいかわからない」という方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は「小学生の英語教育と家庭での勉強方法」について解説していきます。
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・津田塾大学英文学科卒業 ・2019年に子どもの権利や多様性を尊重する国で幼児教育について学びたいと願い、バンクーバーへ渡航し現地の専門学校にて保育士免許を取得 ・現在はバンクーバーの保育園で毎日英語で幼児教育を行っている ・目標は日本とカナダの幼児教育に貢献すること ・趣味は洋書を読むことと観葉植物を愛でること
目次
2020年に小学校での英語教育必修化?
2011年より小学校での英語学習は5・6年生を対象に「総合的な学習」の時間などを利用して行われていました。そこから2020年の小学校の学習指導要領改訂によって、小学校での英語教育が以下のように変更されました。
新学習指導要領
3・4年生:「外国語活動」として必修化。年間35時間(週1コマ)の授業が行われる。英語を「聞く・話す」ことに集中した授業で、評価はつけられない。 5・6年生:「外国語」として教科化。年間70時間(週2コマ)の授業。教科書が導入され、評価がつく。アルファベットの学習など「読む・書く」技能も含まれる。
加えて、3・4年生からの必修化にあわせて1・2年生から英語を授業に取り入れる学校も増えているようです。
小学校英語教育の新学習指導要領とは
そもそも「学習指導要領」とは、子ども達が全国のどこで教育を受けても一定水準の教育を受けられるよう文部科学省によって定められた基準のことを指します。小学校・中学校・高等学校等ごとにそれぞれの授業の内容や目標などを設定しているもので、約10年ごとに改訂されています。 2020年の小学校英語教育に関する新学習指導要領は、2011年から行われていた小学校での英語学習の取り組みからみえてきた成果と課題をふまえて作成されました。 新学習指導要領での小学校3・4年生外国語学習の内容と目標をまとめると以下のようになります。
1. 自分の身近な事柄について英語で「聞くこと」「話すこと(やり取り)」「話すこと(発表)」ができるようになること。 2. 英語を用いて自分の考えや気持ちを伝えること、相手に配慮しながらコミュニケーションをとることの大切さや楽しさを学ぶこと。 3. 日本語と外国語の違い、その背景にあるそれぞれの文化を理解すること。
5・6年生ではこれらの目標に加えて、簡単な語句や基本的な表現を「読むこと」「書くこと」が求められます。
英語教育を小学生で行うメリット
英語教育を小学生から始めるメリットは以下の2点があります。
メリット① 英語習得が早まる
言語学習については「始めるのが早ければ早いほど良い」ということが数々の研究からわかってきています。生まれてから約10〜12年間は言語学習の最も効果が出やすい期間です。
「早いうちから英語を学ばせることは日本語の習得に問題がでるかもしれない」という懸念もあるかもしれませんが、生まれた時から日本語に囲まれ、生活してきた子どもの母語の取得に英語学習の早期化が悪い影響を与えるとは考えにくいでしょう。
反対に、幼い頃から異なる文法体系をもつ第二言語に触れることは、子どもの認知・言語能力の発達を促すともいわれています。
メリット② 間違いに恐れることなく英語学習ができる
大人の外国語取得の障害のひとつとして「間違えたら恥ずかしい」「人前で英語を発音するのが恥ずかしい」という思いから英語を話す機会に尻込みしてしまったり、素直にネイティブスピーカーの模倣ができなかったりすることがあげられます。
一方で思春期前の子どもは、そのような恥の意識を感じたり、周りの言うことを気にしたりあまりしないものです。
そもそも人は、第一言語を学ぶ上でも何度も言い間違えを繰り返してその言語を習得していきます。小学生はまだその段階にあるため、間違いを恐れることなく英語学習に取り組むことができ、結果的に英語取得が早まると言えるでしょう。
メリット③ 外国語や他文化に理解につながる
グローバル化の進行や多様性の尊重など、異なる言語や文化への理解を深めることは近年ますます重要となっています。外国語の早期教育化は、子どもが早いうちに他文化と触れるきっかけのひとつになるでしょう。 毎日新しいものに出会い、学んでいる子ども達は、外国語や他文化に対しての抵抗感も少なく興味を持ちやすいといえます。
家庭でできる小学生への英語教育
小学生に対して英語教育を行うことのメリットがあるとはいえ、英語学習を無理強いすることでお子さんが英語嫌いになってしまっては元も子もありません。 英語学習は継続することで効果がでるものです。お子さんが継続した英語学習を進められるよう、ご家庭の英語教育では「子どもが楽しく学べるよう工夫する」ことが重要になってきます。
楽しく効果的に英語を学ぶ方法① 子どもの興味関心、体験に結びつける
子どもの学習において最も効果を表すのは「学習の対象が子どもの興味関心に基づいたものであること」、そして「その学習方法が五感を使った体験であること」です。お子さんの趣味や実際に体験したことと結び付けて英語を学ぶ機会を作ってみましょう。 例えば、お子さんがイチゴが好きで家族でイチゴ狩りに行ったとします。そんな時は「このイチゴ、少し酸っぱいね。酸っぱいって英語でなんて言うのかな?」と会話の中に英語の質問を取り入れてみるといいでしょう。ご家庭に子ども用の英和・和英辞書を1冊準備しておいて一緒に辞書で調べてみてもいいかもしれません。 体験したことは、ただ見聞きしたことよりも記憶に残ります。紙の辞書で調べることも記憶定着の助けになるでしょう。
楽しく効果的に英語を学ぶ方法② 動画や音声コンテンツの活用
現在、オンライン上には様々な英語の映像や音声コンテンツが無料で公開されています。それらを活用してみるのもおすすめです。 例えば、英語の歌を流して歌ってみたり、海外アニメを英語音声と英語字幕でみてみたり、絵本を見ながらオンライン上の読み聞かせ音声を流してみたりしてもいいかもしれません。
楽しく効果的に英語を学ぶ方法③ 英語学習サービスの利用
英会話教室に留まらず、現在の幼児・小学生向けの英語学習サービスは多岐にわたっています。
英語に親しむための入門レベルから、資格取得やネイティブレベルを目指すコースまで様々です。学習サービスを検討する際はお子さんのレベルや目標、生活リズムに合わせて選んでみましょう。
小学生におすすめな英語学習サービス5選
オンライン・インターナショナルスクール Global Step Academy

Global Step Academyの特徴
自宅でインターナショナルスクールに通うようなつもりで本格的に学習できるのがGlobal Step Academy。英語学習だけでなく「英語での学習」ができるSTEM学習コースなど、これからの時代に必要とされる力を養えるコースを提供しているのが特徴です。
子ども向け4技能型英語塾【キャタル】

キャタルの特徴
キャタルは子ども向けの「読む・聞く・話す・書く」をバランス良く学ぶことができるコーチング塾です。お子さんにあった個別カリキュラムに基づいて、バイリンガル教師と一緒に学習を進めることができます。
KIDS DUO 【After School Care/Pre School Care】

KIDS DUO の特徴
英語環境での保育を提供しているのがKIDS DUOです。就学前のお子さんには1日最大4時間の幼児コースを、小学生には下校後の学童保育サービスが提供されています。英語の勉強をするというより、長時間英語環境で遊び楽しむことで英語の取得が目指せます。
オンライン英語スクール【Go School】

Go Schoolの特徴
Go Schoolはインターナショナルスクールのノウハウを活かした運営を行っているオンライン英語スクールです。 「バイリンガル国際人」の育成を目標にしており、教員資格をもったフィリピン人講師がマンツーマンで指導してくれます。
プログラミングと英語が同時に学べる【OUCHI Kids International】

OUCHI Kids Internationalの特徴
アメリカ人がアメリカの教材を使用し、英語でプログラミングを教えてくれるのがOUCHI Kidsです。 英語でのプログラミング学習を通して、子ども達が「論理的思考力」「問題解決能力」「創造性」を身につけることを目指しています。
まとめ
ここまで小学生の英語教育と家庭での学習方法について紹介してきました。 2020年より小学3・4年生はリスニングとスピーキングに特化した「外国語活動」の授業を年間35時間受けることが必須になりました。5・6年生では「外国語」の授業として英語学習が教科化されることに伴い、評価もつけられます。年間70時間の授業が必須となり、リスニングとスピーキングに加えてリーディング・ライティングを含めた4技能を伸ばすことが高学年の目標となりました。 小学生から英語学習を始めることには英語取得を早めることにもつながります。英語の学習を楽しみながら継続できるよう、お子さんの興味関心や目標にあわせて学習方法を模索してみましょう。
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